愛された記憶の微粒子
再婚した後の子どもが父親に馴染まず「本当の親ではない」と言われて殺してしまった事件、失業した父親が家族の将来を悲観して二人の子どもを殺してしまった事件など悲しい報道が続きます。その子どもたちはその短い人生をどんな気持ちで生きたのか?重い気持ちに覆われます。
俳優の大竹しのぶさんが新聞の小さなコラムに載せていた文章です。「生前、新藤兼人監督が『愛された記憶は微粒子のように残るものです』とおっしゃっていたのを思い出します。」
新聞の投稿欄にも、いわゆる小さな親切・・・道案内をしてもらった、荷物の移動を助けてもらった、席を譲ってもらったなどの記事がよく載ります。その小さな親切はその事実で終わるのではなく、親切を受けた人の社会や人間関係を見る眼を明るいものにしているのではないでしょうか。
無料塾ひこざにも、火曜日、金曜日には早くから来て掃除、会場の整備、学習用具の準備、軽食の準備、塾生への連絡・・・など多く作業が行われます。時間が始まれば40数人の小・中学生の学習の支援に多くの大学生「ひこざらす」があたります。しかし大学生と小中学生が一対一で向き合って話し合ううちに、父親や母親との関係、兄弟姉妹との関係、友人関係、学校など生活上の様々な問題で相談されるようになります。そこで話し合われたこと、相談にのってもらったことは塾生たちの心の記憶の微粒子となって、高校生、大学生、社会人となっても人生の励ましとなることでしょう。
理事 石川 巖


