「子どもたちの心のことばを聴きたい」

私たちの脳は外界の様々な情報や刺激をキャッチして喜びや悲しみ、怒りの意識が生まれそれが心となって言葉や行動として外に現れます。
まだ言葉を知らない赤ちゃんは泣くことで気持ちを伝えようとしますが脳の発達と共に言葉を増やしてゆきます。私は自宅で「子ども文庫」を開いていた時「ぐりとぐら・てぶくろ・いやいやえん」などの絵本や物語を読みながら子どもたちが新しい豊かな言葉を身につけてゆくのを見てきました。
今、若い人たちの会話を聞いていると「まじ・やば・うざ」などの短い言葉が飛び交っています。言葉は時代と共に変わるものですからそれはそれでおもしろいのですが、自分の心を伝え合う「ことばの引きだし」をたくさん持ちたいとも思います。
埼玉大学名誉教授の暉峻淑子(てるおかいつこ)氏はその著書で戦争の反対語は「対話すること」と述べています。今は「対話」がとてもむずかしい世の中になり意見の違う人とも対話しながら解決の道を探るということが少なくなった気がしますが、どうでしょうか。
広島の能美尚子さんがつくった「子どものニーズガード」を使って子どもたちの胸の中のもやもやしたものを形にできるよう対話をすすめる糸口として各地で広がっていると知り、カードを手にとってみました。
「ひこざ」でもこんなカードを使いながら塾生ひとり・ひとりとの話し合いのきっかけにできたら良いなと思います。

理事 角田眞喜子

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